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心は生きている~夫の涙

2016/10/19 Wed 12:19

リビングに座り、ちょっと見上げると夫の遺影が見える。
顎にちょっと手をあてて微笑んでいる。
病気になってからも夫はいろんな場面でとてもいい笑顔をみせてくれた。

そんな夫が涙を見せたことがある。
それも病状がずっと進んで意思の疎通も難しく、食事、排せつ、生活、すべて全介助の状況になってから。
ひと月のうちショートステイとデイサービスを半々に繰り返し、なんとか自宅で暮らしていた。

  当時の病状

そんな時、息子が目指していた試験に合格した。
それは我が家にとって、とてもめでたいことだった。
息子の将来を決める大切な試験、私はひとつ肩の荷を下ろし、大喜びをした。
ショートステイから戻った夫をリビングに引き入れるやいなや、夫に抱きつき

『ぱぱぁ~! 合格したの!!
  N君が試験に受かったのよぉ~♪
   すごいでしょぉ~!!
        よかったぁ~!!』


夫に息子の合格の意味が伝わることは期待していなかった。
ただ、ただ、自分の喜びを夫にぶつけたくて私は夫に抱きついた、
 と言うか、彼の胴体をぎゅっと抱きしめながら自分の喜びを勝手に噛みしめていた。

すると、いつもはでくの坊の様に突っ立っているだけの夫の手がゆっくりと私の背中に当てられた。
そして、ちょっと力が入った。

えっ?・!

夫を見上げると、彼の頬を涙が伝っていた。
夫は笑顔ではなく、神妙な表情をしていた。

『わかるの・・・?
    わかるの?
合格したこと、わかるの?』

夫の首が少し揺れたと思う。
頷いた、と私は思っている。

合格の意味はわからなかったかもしれない。
でも、私がむっちゃくちゃ喜んでいること、嬉しいこと、幸せなこと、
その気持ちを彼は理解したと思う。
彼のこころが 私のこころを 感じ、一緒に喜びの涙を流したと思う。

 認知症になっても心は生きている。

IMG_5005 (編集済み)


認知症家族の思い | コメント(2) | トラックバック(0)
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