夫の心臓が止まった朝、

2015/05/23 Sat 22:10

月曜日の朝、子供たちを送り出した後、私は実家へ行く準備をしていた。
夫は朝一で病院に連れて行ってもらえるはず、
なんとか痛みを取ってもらえますように☆☆☆
命の心配なんてしていなかった。

あれこれ家事を片づけていると電話が鳴った。
息子から。

『驚かないで聞いてね。
今、○×△病院から電話があって、親父が心停止したらしい。
延命措置をどうするか聞かれたので、とりあえず、お願いしますと言っておいた。』

何を言ってるんだろう、心停止?延命措置?
えっ?誰の話し・・・・・?

言葉は受け止めても、その意味が伝わるまで時間がかかった。
病院に行かなければ、
娘に連絡しすぐに戻るように、
次、父に電話をした。

『ごめんなさい、今日は行けないかもしれない。
食料倉庫を探して、なんとか食いつないで。』

父はもちろん驚いたけれど、こちらは大丈夫だから気にせずに夫の元に駆けつけなさい、と言ってくれた。

夫の姉に電話、
『驚かないで聞いてください。心停止と連絡を受けて今から駆けつけます。
○×△病院です。』

私の弟から電話、
『今おじいちゃんから電話があった。病院はどこ?行きます。』
『ありがとう。お願いします。』
父が弟に知らせてくれたのだ。

ほどなく戻ってきた息子と娘と共に病院へ。

一階のER前、施設の相談員さんが待機して下さっていた。
そしてドアの横にはピッカピカの夫の車椅子・・・、
主の居ない車椅子が置かれていた。

相談員さんから経過を聞いた。
夫は施設から朝一で受診した。
施設からの車の中、夫は眠っているようだった。
病院に着いて皮膚科の待合室、夫の反応が無く、すぐにERへ。
待合室に居る間に夫の心臓が止まったと言う。

状況の説明を聞いているうちにERの中に呼ばれた。
夫を診て下さった医師からの説明。

今、CTを撮っています、ほどなく戻って来るでしょう。
極度の脱水症状を起こしています。
水分不足で血液がドロドロになり血圧が測定できません。
水分を補うために点滴をしますが、結果、腎臓、心臓に負担がかかり耐えられないことも考えられます。
また、血管が細くなっていて、安定的な点滴が出来ません。
鼠蹊部、または首の部分からの点滴も考えています。
心臓がどれだけ持つか、予断を許さない状況です。

たぶんこんな説明だったと思う。
混乱する私の頭の上を医師の言葉が通り過ぎていった。

ストレッチャーが入って来た。
夫だ。
駆け寄ると彼は目を開けていた。
子供たちと声をかける。

夫は大きく目を開いた。
後で、娘はあの時父親が笑っていたと言った。
今、私はその言葉を信じる。

一度止まった心臓が動きだし、夫は息子、娘、妻と会うことができた。
久しぶり家族4人が揃って、夫が笑顔にならないはずがない。

夫はまた検査のために運ばれて行った。
私達は入院の手続きをとるための事務手続きを終え、夫が入院の病棟へ移るのを待った。

そして私の弟が到着した、彼は医師なので、ERで担当した医師と話しをしてくれた。
CTの写真を見て、脳の委縮は相当進んでいるというのが一致した意見だった。
それと、脱水の数値も非常に高く、なかなか見ない数字だと言う事・・・。
難しい状況であること・・・。

しばらくして、夫はナースステーションの隣、重篤な患者用のベッドにひとまず移されて来た。
私達は夫と再開した。
夫の兄弟たちも駆けつけてくれた。
ここで、夫の目が開いたのかどうか、私には記憶がない。
ただ、昨夜に比べて夫の苦しみが少し薄らいでいるように感じた。

夫はどうなるのか。
弟は言った。
皮膚は体を守る大切な部分、これだけのダメージがあるのは厳しい。
血液がドロドロになったことで、また脳に新たなイベントが起こっているかもしれない。
その場合、体に麻痺が出る恐れもある。
ただ、今左右の手の動きを診たところでは麻痺は起こっていないように見える。
経過を見て行かないと・・まだ見通しは立たない。

ナースステーション横の病室には他にも重篤な患者さんが寝ていた。
長居は禁物。
私達は思い思いに夫に声をかけ、退出した。

この時点で、私は夫は命を拾ったと思った。
時間はかかるかもしれない、でももう一度帰って来る。
きっと回復する。

ひとまず、子供たちと家に戻った。

その夜12時過ぎ、家の電話が鳴った。




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