スポンサーサイト

--/--/-- -- --:--

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
スポンサー広告

ちょっと待っててね。

2012/11/17 Sat 10:25

夕方夫がデイサービスから戻って来た。
玄関でいつものように靴を脱がせようと足元にかがむ。

『はぁ~い、パパ、こっちの足上げてくださぁ~い。』

かつては靴を脱ぐのに手間取り、30分以上も玄関であ~だ、こ~だと時間を過ごしたこともあった。
でも最近ではある意味力づくではあるけれど、割とすぐに家の中に入れる。

が、しかし、今日は違った。

『ちょっと待っててね。』

夫はそう言って、クルっとまたドアの方へ方向転換してしまった。

夫はもう自分から発話することはほとんどない。
話しかけられても『うん、うん、』と応えるか、誰かが言った言葉を繰り返すか、その程度。
こんな風にシチュエイションにあった言葉はなかなか出ない。

『ちょっと待っててね。』

たぶん、これは私がふだん死ぬほど使っているフレーズ。
朝一番、先に布団から抜け出す私は、

『すぐ、迎えに来るからちょっと待っててね。』

と言うだろう。

その後も、
『今トースト焼くから、ちょっと待っててね。』
『しまった、靴下忘れた。持って来るからちょっと待っててね。』
『次はお薬ね、ちょっと待っててね。』

ちょっと待っててねのオンパレードだ。
毎日繰り返す私の『ちょっと待っててね。』を夫は学習して真似たのだろうか、それとも偶然?

『ちょっと待っててね』と言った夫は玄関でちょっと足踏みをした後に素直に靴を脱いだ。

そして、上着を脱いでトイレへ、
定位置に立たせてズボンを下ろそうとすると、また、


『ちょっと待っててね。』

もう一度そう言って、私の手をよけてトイレットペーパーのホルダーで遊び始めた。

『ちょっと待っててね。』夫はちゃんと言葉通りの行動をしている。
二つも続けて。

一日デイサービスで過ごして戻った夫は私の顔を見て、
「ちょっと待っててね。」を思い出したのかもしれない。
いずれにしても状況に合った言葉と行動をするのは現在の夫にしては上出来。
私はおとなしく、「はい、喜んで待ちましょう。」と夫の気が済むのを待つ。


診断を受けて9年目、夫の病状は進行し、近頃はゆるぅ~い毎日が続いている。
前のようにセンセーショナルな事件は起きないけれど、それでも毎日小さな変化がある。
昨日とはちょっと違う今日。
さて、明日は?

sunset.jpg



出来なくなった事 | コメント(0) | トラックバック(0)
コメント

管理者のみに表示

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。