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ありがとう

2011/09/18 Sun 09:07

台所で夕食の支度をしていた。
久しぶりに息子、娘もそろって、家族4人の夕食。
特に息子が家で夕食を取ることは滅多にない。この際、野菜をたくさん食べさせようと献立を考えていた。
野菜の料理は下ごしらえに手がかかる。
あれこれ、忙しく立ち働いていた。

とそこへ、、後ろにいつもの気配。
振り返ると、今にも泣きそうな苦悶の表情を浮かべた夫が居た。

『!!ど~したのぉ~???』

夫に向き直る。

もちろん答えはない。

様子を観察するとどうもお腹が痛いらしい。
とりあえず、トイレに座らせて考える。

何か、悪いものを食べたかな?
それとも、
えっと、今朝はお通じはなかった、昨日は・・・。

トイレに座った夫は真っ赤な顔をして頑張っている。
様子から見ると、便秘の苦しみのよう。
でも、滞ったのは一日だけなんだけどな。
しばらくして立ち上がったので、身づくろいを手伝い、手を洗って台所に戻る。

数分後、また苦悶の表情で後ろに夫が立つ。
トイレに連れて行き、しばらく付き添って、手を洗って台所へ戻る。

5回 繰り返した時、お腹を空かせて息子が自分の部屋から出て来た。

『ごめん、パパ、看てくれる?夕飯の支度が出来ないの。』

あんまり期待しないで言ってみた。

『どうしたの?』 と、息子。

『お腹痛いみたいなの。』

『ほんとだ、すげぇ~顔してる。ど~した、親父?』

息子が夫をトイレに座らせてくれた。
前は息子もよく夫を看てくれた。
夜中にうろうろする夫と会うとトイレに誘導してくれたり、デイの送り迎えや、一緒にお留守番もしてくれたものだった。

しかし夫の病状が進み、ある時から、夫は息子が居ると落ち着かなくなった。
自分より大きくなってしまった息子は彼にとっては警戒すべき他所の男に見えたのかもしれない。

時が経ち、今また、夫は息子を受け入れるようになって来ている。

台所まで息子が夫に掛ける声が聞こえて来た。

『はい、こっちの足上げてぇ~。
 今度こっち、そうそう。
 はい、じゃぁ~ 云々・・』

上手に夫をコントロールしている。

『すごいね~。仕事できるんじゃない?』

『いや、親父だけで充分だから。』

夫の手を引いて戻ってきた息子と話していると、

  『ありがとう。』

  !!!!!

夫が、誰にともなく、つぶやいた。

夫の目は息子も私も捕らえてはいなかったけれど、確かにありがとうと言った。
もう、ずっと聞いていないこの言葉。
そして、まさに、今この場にふさわしい言葉。

これはメマリー効果なのか、はたまた息子効果なのか、

まっ、なんでもいいや、



   私からも、ありがとう。




認知症家族の思い | コメント(2) | トラックバック(0)
コメント
おはようございます
ほらほら ね~ ご主人 やっぱり感情的なんだよ 優しさや 嬉しさや 苦しみが ちゃんと わかってるんだね~ 良かったね 肝心なときだけ 表せるんだね

いろいろ失ったけど 真心だけは 絶対失わないと思います
なんか 私まで 嬉しくて
No title
たかさん、おはようございます。

夫が言葉で自分の気持ちを伝えられなくなって久しいので、時折り発する一言に一喜一憂してしまいます。

ここのところ眉間に皺を寄せる時間が少なくなったので、ちょっと一息。
特養申し込みの用紙をしまい込みました。
(^^)

ご主人様はいかがですか?

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