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饒舌なフランケン

2011/02/20 Sun 13:31

娘とたわいないおしゃべりをしていた。

と、突然夫が

『大丈夫だよ。そう、そう、それでいい。絶対大丈夫。ぜったい!!』


と、はっきりとした言葉で割って入って来た。


 ~??~と思ったけれど、話を合わせた。

『そう?大丈夫なの?』


『大丈夫、それでいい。それでいいんだ。絶対大丈夫。大丈夫。
 絶対。絶対。』


夫は立ち上がってテーブルの向こう側から私と娘の間あたりを指差している。
娘と顔を見合わせつつ、

『そう、パパがそう言うのなら大丈夫ね。』

『そうだよ。大丈夫だよ。絶対、絶対、いいんだよそれで。大丈夫。』

夫の目はいつものぽわっとした柔らかな眼差しではなく、なんだか異様に輝いている。

『なんだか・・怖い・・』

いつもと違う夫の様子に娘が小声で私に言った。

娘にうなづきながら、

『そうね、大丈夫ね。パパが大丈夫って言うなら安心だわ。よかった。よかった。』

夫は目を爛々と輝かせて前かがみに私と娘の間を指差し力説している。

『絶対、絶対大丈夫!!!』



夫を落ち着かせようと、できるだけ穏やかに同調し、夫のところへ行って手を握る。
しばらくして夫は落ち着きをみせた。やれやれ。


夫は現在、要介護5、障害者手帳1級。
最近同じくらいの病状のお仲間が相次いで入院された。
みんなそれぞれ症状はちょっとづつ違うけれど、お役所からもらった数値は同じかあるいは夫の方が上の位。

夫がこうして家で家族と暮らしていられるのは夫の症状が比較的穏やかだから。
認知症は病気が進むにつれて多くの周辺症状をともなうことがある。
すぐに思いつくのは『徘徊』

夫も一時、外へ、外へと向かう時期があった。
ちょっと油断すると外へ出てしまい、家に帰りたがらず付き合ってしばらく一緒に歩いたものだった。
その頃、我が家の玄関には水のペットボトルを入れたダンボールがいっぱい置いてあった。
水に趣味があった訳ではなく、夫が外へ出ていかないように道をふさいでいたのだ。
夜中に帰ってきた息子がドアを開けた途端にバリケードにぶちあたり毒づいたこともあったけ。
ある日、夫の靴を隠せば、裸足でまでも出て行かないことに気が付きバリケードは消えた。
そのうちに夫は家の玄関の場所がわからなくなり、鍵を開ける力も失った。

『徘徊』は今のところなんとかクリアし、今私が恐れているのは『せん妄』『幻覚・妄想』。

まわりの方のお話を聞くと、『せん妄』『幻覚・妄想』は突然始まることもあるという。
もし、夫にその症状が現れたら一緒にはもう暮らせない。

夫がいつもと違う顔を見せるたびにもしやと怯えてしまう。
どうぞこのまま穏やかに、穏やかに時間が過ぎて行きますように。
願わずにはいられない。





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