久しぶりの遠足

2010/05/06 Thu 20:59

今日は若年性認知症本人とその家族の会の遠足だった。
4月は夫が風邪を引いたり、私の用事があったりで参加することができなかったので、今日の会を楽しみにしていた。

天気予報では『くもり』の予想だったけれど、朝起きてみると明るい日差しの五月晴れ。
6時に起きてお弁当の準備をしたり、家事を片付けたり、一日留守にするので、忙しく動き回っていた。

7時過ぎ、朝食を取った頃から夫の表情が曇り始めた。
台所でお握り用のしゃけをほぐしていると、眉根に皺を寄せて夫が私の後ろに立つ。
『今日は遠足だからね。お弁当作るから待っててね。』

返事はなく、怖い顔をしたまま。

トイレかな?と連れて行き、夫を座らせてから台所に戻った。
あれやこれやしていると、ズボンを履かず、下着だけの夫が歩いていた。

すぐに追いかけてズボンをはかせようとしたけれど、振り払われる。

ちょっと時間を置いてじゃあ、お髭を先にと、電気剃刀を当てようとしたけれど、首を振って拒否。
話しかけても返事どころか、反応もなくなった。

うつろな瞳のフランケン、何を見てるの?


いつもならこの時間、私は夫のしもべ。
ゆったりとお茶を飲みながら、夫の世話を焼く時間。
でも、今朝、私は久しぶりのお出かけにうきうきして、夫は二の次、忙しく立ち回っている。
夫は機嫌を損ねたのかもしれない・・・。


だけど・・・・


  え~い!めんどくさい奴め~!!

思い通りに動かない夫に腹を立てて、

『わかった、もう、今日は行かない。一日お家でつまんな~く過ごすからぁ~!!』

おどしてみた。

それでも夫から反応は返ってこなかった。
これはまずい。
お弁当作りをあきらめて、夫の隣に座ってあれこれ機嫌を取ってみるけれど、無反応。

時計をみると思いのほか時間が経っていた。
ズボンを履かせて、お髭を剃って・・・あれして、これして・・・・・・・・
約束の時間にはきつい。
今日はもう無理かな~と、お世話役の方に状況をメールしてお断り。
今日はあきらめよう・・・

無理やり出かけても後何が起こるかわからない、結局私がきついだけなので、あきらめるよ~~
ともおもいつつ・・・
でも、このフランケンと一日暮らすのもどうなの???・・・

ひとりでうじうじ悩んでいると、娘が

『今日まだ、音楽かけてないよ~。』

と夫のお気に入りのCDを流してくれた。




何分後だったろう・・・・夫が一緒に口ずさみ始めた。


 しばらくして、眉間の皺が消えた。一緒に歌い始める。


かくしてなんとか仲間に追いつくべく家を出ることができた。

電車に乗り、タクシーで目的の公園に到着。

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みんながフリスビーで遊んでいる広場へ夫と手を繋いでゆっくり歩いていると、お世話役のTさんが迎えに来てくださった。
Tさんの姿を見て、夫は今日初めての笑顔
それも大きな、大きな笑顔。
Tさんの差し出された手を夫はしっかり握る。
それを見て私はうっかり・涙。



広場では、笑顔のみんながそれぞれ迎えてくれた。
ひとり、ひとりのお顔を見て今日ここに来れた幸せを感じる。
来てよかった。みんなの笑顔に感謝する。

夫も笑顔、 よさこい節、青い山脈、カラスの子、北国の春、
次々と鼻歌が出て、みなさんに褒めていただく。

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仲間と楽しく過ごす時間・・・・・・・・・

終わりに近づいているのを感じる。
あとどれだけ・・・・・



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