スポンサーサイト

--/--/-- -- --:--

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
スポンサー広告

しもべ

2009/10/03 Sat 15:03

男の人が認知症になり、病気の進行と共に家で過ごす時間が長くなると悲劇だ。
母は認知症になっても家の中で細々と活躍している。
冷蔵庫の中に『ダイエットの本』があったり、食器棚に布巾が干してあったり。
実家に行く度にいろんな物が移動していて、母の活躍の跡を見ることができる。

夫は元気な頃はなんでも家事を手伝ってくれた。
お皿洗いは得意技だったし、換気扇の掃除は夫の仕事と決まっていた。
まだ病気の初めの頃は家に居ても、なにかしら出来ることがあった。病気が進むにつれて出来ることが少なくなって、今ではお皿を拭くことも難しい。
誰かの手助けなしにひとりで出来ることは『ない』と言ってもいいかもしれない。

デイサービスの無い日、家に居ても夫にはすることがない。
デイに行けば計画表に従って、職員さんや他の当事者の方たちとなんやかんや係わって時間が過ぎていく。
でもデイの無い日は私が動かなければ、彼は何も出来ない。

夫にとって、『お休みの日』でも私にはお休みはない。
しなければならない事が山ほどある上に、したい事もその100倍くらいある。
私にはいつも何か夢中になるものがあって、やりたいことと、やらなくてはいけないことの狭間であえいでいる。

でもデイの無い日は覚悟を決めて、夫の『しもべ』となる。

病気の進行ととも夫の行動、動作も緩慢になってきた。
最近、難しいのが一度で小用が済ませられないこと。
夫の様子を見て『トイレかな?』と連れて行っても座ってもらうまでに延々と時間がかかる。
夫はトイレのマットを直し、トイレットペーパーを確かめ、ミシン目でちぎり、便器に浮かべ水に浸っていく様をながめる、そして・・
やっと座ってもらい、さて、という時に立ち上がってしまう。
ここで押しとどめると、

『放っておいてくれ。』と叱られてしまう。

『え~!!??だって、おしっこ、って言うから・・』
        言葉を飲み込んで、リビングに戻る。

そして2分後、再びポロシャツのボタンに手をかけてそわそわする夫に、

『おしっこ行きますか?』
    と、トイレに行って、

『座ってします?立ってします?』

『うん。』


『じゃあ、座りましょうか。』

とズボンに手をかけておろそうとすると、

『なんてことするんだ。』

『え~!?!?』

とまあ、こんな繰り返しで一回用を足すだけでも『しもべ』の大切な時間は奪われていく。

なので、ようやく事が達成されると。

『上手!!! お見事でした!!
            素晴らしい!!』


と、『しもべ』は大絶賛!!

夫もわかってか、わからずか、

『よかった。よかった。』

と手打ちになり、それからしばらくは機嫌のよい時間が流れることになる。

20091002101337.jpg
<くりはま花の国のゴジラ>
実は背中が滑り台になっています。逆光のせいでよけいに強そうに撮れました。

夫が家でひとりで出来ること、「しもべ」なしで時間を過ごせること、何かないだろうか。
出来なくなった事 | コメント(2) | トラックバック(0)
コメント
身につまされます
同じです。私も、デイのない日は「しもべ」にならないと、主人は生きてゆけません。
うちは、今のところ、オシッコだけは何とか「しもべ」なしでする事が出来ています。もっとも、「しもべ」は後ろからそっと見ていて、こぼれちった液体の御片づけをしなくてはなりませんが。
我が家も、病気になる前は、家事は何でもしてくれました。今でも、何か手伝う事はないかと気にしてくれる時があるのですが、残念ながら手助けなしに出来る事はありません。
出来る事が、だんだん・・だんだん・・・なくなって来ます。
何もしてくれなくても良いから、ご機嫌でさえいてくれればと願うのですが、やはり家族を守って生きてきた一家の大黒柱が、「もう、家族の役に立てない」と自覚するのは、苦悩と絶望以外の何物でもないのかも知れません。
それにしても、nobiさんの、「しもべスタイル」とってもお上手ですね。私は、分かってはいるけど、なかなか優しく出来なくて、自己嫌悪に陥ってしまう事がしばしばです。
夫より先に逝かない限り、一生「しもべ人生」が続くわけではないので、ぼちぼち頑張りましょうね。
初めて「認知症と家族の会」に参加した時、偶然おとなりは若年性認知症のご主人を持つ方でした。
いろいろお話させていただき、それまでの夫の不可解な行動が、その方のご主人と全く同じであることがわかりました。
それまで病気のせいなのだと思っていても、あまりにも今までと違う夫の言動にイライラを募らせていた私でしたが、その方とお話して、夫は「病気なのだ!!」と改めて認識しました。
ほんとうに残酷な病気です。
何故?何故夫が?と、
でも、それは本人が一番思っていることなのでしょうね。
家族もつらいけれど、本人の無念さには比べようもない。
私はいつかmomoさん&メグちゃんとお会いして、楽しい時間を過ごせるかもしれない。
そんな日を楽しみに頑張っていける。
でも夫は・・・
おっしゃる通り、ぼちぼち頑張って行きましょう。
いつかお会いできますように☆

管理者のみに表示

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。