約束

2014/06/21 Sat 17:19

学生時代の友人が亡くなった。
62歳は余りにも若すぎる。
数年前、彼は癌を発症し、ずっと病気と闘っていた。

        本当に癌だったら良かったのか、

何度も入院したけれど、いつも彼は帰って来た。
ちょっと入院が長引いても、いずれ帰って来ることに慣れてしまった。
また、もう一度会えることを私は疑っていなかった。

でも気づくべきだった。
 
去年の秋も深まった頃、彼からメールが届いた。

今後の治療方針を、
毎日の快適さは差し置いてできるだけ長く生きるか、
毎日の快適さを大事にして長く生きる可能性を少なくするか、

彼は選択を迫られていた。

私はこのメールに返信することができなかった。

彼は、自身で決めなくてはね、と書いていた。
私に何が言えただろうか。

彼は学生時代の仲間、普段、私の日常生活の中には居ない。
何かあったら、久しぶりに集って楽しい時間を過ごし、また自分の場所へ帰って行く。
それでも彼が居なくなることを私は恐れた。
辛い治療でも、少しでも長くそこに居て欲しい、
声をかけたら返事をしてくれる、その場所に居て欲しいそう思った。

でも、それはつらい治療を強いること。

明確な私の思いを送らないままメールの話題は変わり、
結局、彼の下した決断を聞くこともなかった。

4月にみんなで会った時、
ベーシストだった彼は基礎からベースのレッスンを受け直していると言った。
次回の集まりでは彼のベースを披露すると約束した。

その約束が果たされることはない。

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