ご飯食べてない・・・
2010/04/29 Thu 17:20
朝、息子が起きて来た。
息子の前に朝食を並べる。
トーストは2枚。
夫と私は6時過ぎ、すでに朝食を済ませている。
台所から紅茶を持って戻ると夫が息子の隣に立ち、息子のトーストを一枚持っていた。
『どうしようか?』と、息子の目が私に聞いている。
トースト3枚目・・・まあ、いいか、8枚切りだったし。
息子には、『もう一枚焼いてくるね。』と言い、夫のためのお皿を用意した。
トーストを持った夫を自分の席に誘導して座らせ、今日、2度目の朝食。
診断を受けて一年ほど経った頃だったと思う。
やはり後から起きてきた息子がトーストを食べていると、
『僕ももらおうかな。』
と夫が言った。
休日だったと思うから、たぶん夫が朝食を食べてから1,2時間は経っていたかもしれない。
そうは言ってもまだ10時前。
娘と息子もぎょっとして空気が凍りついた。
不意を衝かれた私は
『え~!!さっき食べたでしょ。』と言ってしまい、ますます空気が重くなる。
『あっそうか~。あはは。』と夫が受け流してくれて、みんなの緊張が解けほっとしたのを覚えている。
よくドラマなどで認知症の人を描くのに、『ご飯を食べたことを忘れる』というエピソードが使われる。
でも、それがそのまま自分たちの身に起こるなんて思ってもいなかった。
まだ、まだ初期の頃の思い出。
病気は確実に進んでいる。
いつからかもう思い出せないけれど、夫には食卓の定位置がない。
どこでも座ったところが彼の場所。
どこでもお皿が置かれた所が自分の場所。
好物は隣のお皿にあっても箸を延ばす。
お皿とテーブルの区別がつかず、食べ物を直にテーブルに置いてしまう・・・。
家族が揃うまで待って、いただきます、をすることもできない。
置かれたお皿から手を延ばして行く。
でも、彼にお行儀を求めることはもう辞めた。
あれこれ言っても彼には何故否定されるのか理解できず、ストレスを与えるだけ。
できるだけ、平和に暮らしたい。

息子の前に朝食を並べる。
トーストは2枚。
夫と私は6時過ぎ、すでに朝食を済ませている。
台所から紅茶を持って戻ると夫が息子の隣に立ち、息子のトーストを一枚持っていた。
『どうしようか?』と、息子の目が私に聞いている。
トースト3枚目・・・まあ、いいか、8枚切りだったし。
息子には、『もう一枚焼いてくるね。』と言い、夫のためのお皿を用意した。
トーストを持った夫を自分の席に誘導して座らせ、今日、2度目の朝食。
診断を受けて一年ほど経った頃だったと思う。
やはり後から起きてきた息子がトーストを食べていると、
『僕ももらおうかな。』
と夫が言った。
休日だったと思うから、たぶん夫が朝食を食べてから1,2時間は経っていたかもしれない。
そうは言ってもまだ10時前。
娘と息子もぎょっとして空気が凍りついた。
不意を衝かれた私は
『え~!!さっき食べたでしょ。』と言ってしまい、ますます空気が重くなる。
『あっそうか~。あはは。』と夫が受け流してくれて、みんなの緊張が解けほっとしたのを覚えている。
よくドラマなどで認知症の人を描くのに、『ご飯を食べたことを忘れる』というエピソードが使われる。
でも、それがそのまま自分たちの身に起こるなんて思ってもいなかった。
まだ、まだ初期の頃の思い出。
病気は確実に進んでいる。
いつからかもう思い出せないけれど、夫には食卓の定位置がない。
どこでも座ったところが彼の場所。
どこでもお皿が置かれた所が自分の場所。
好物は隣のお皿にあっても箸を延ばす。
お皿とテーブルの区別がつかず、食べ物を直にテーブルに置いてしまう・・・。
家族が揃うまで待って、いただきます、をすることもできない。
置かれたお皿から手を延ばして行く。
でも、彼にお行儀を求めることはもう辞めた。
あれこれ言っても彼には何故否定されるのか理解できず、ストレスを与えるだけ。
できるだけ、平和に暮らしたい。

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