視線

2009/11/26 Thu 15:27

買い物で街を歩いても、電車に乗っても、夫の鼻歌は止まない。
あくまで、鼻歌の範囲だけれどそれは周りの人の耳にも届く。
すれ違って行く人には気にならないかもしれないが、電車に乗り合わせた人たちは不審な目、好奇の目で私たちを見る。

電車の乗り降りの時、夫の手を取って必要以上に足元に気遣ってみたりする。
席が空いていれば、まず夫を座らせる。
いわゆる健常者ではないことを控えめにアピール・・・。

『ちょっとおかしい人なのかな。』

とわかると視線は離れて行く。

でも、鼻歌が出ず、普通に電車に乗っていれば特に病気のようには見えない、と思っていた。

ところが今朝、初めて電車の中で夫は席を譲られた。
電車に乗ってすぐ、夫とそんなに変わらない年恰好の男性がすっと立って、『どうぞ』と言ってくださった。

もちろん、私にではなく明らかに夫に向かって手を差し伸べている。
お礼を言って座らせていただいた。

夫を座らせて、前に立ちながら、

なんだか・・・ショック・・・。

歌も歌っていなかった。眉間に皺もほとんどない。
よろめいてもいない。
電車に乗ってすぐだし、そんなに観察してもらう時間もなかったはず。

でも夫に席を譲らなくては、と夫と同じ年頃のその男性は感じた・・。
私が思っているよりもずっと夫の病気は外に現れているのだろうか?と、思ったらなんだかショックだった。

もう、必要以上に夫を気遣う素振りを見せて、
「病気なんです。」アピールをしなくていいのかもしれない。


夫と外出する時にずっと心配だったのは、夫が場の空気を読めなくなっていること。その時の調子によってはずっと苦虫を噛み潰したような、不機嫌な顔をしている。知らない人とぶつかっても、機嫌の悪いときは露骨に嫌な表情を見せる。
「怖いお兄さん」とかに因縁でもつけられたらどうしようと心配していた。
障害者手帳を見せて、
「精神障害なんです。ごめんなさい。」
とあやまってしまおうか、はたまた、

「精神障害なんです。刺激しないでください。暴れます!!」
と脅かそうか、なんて考えていたけれど、

もう手帳をかざさなくても十分おかしな人に見えているのかも・・・

それもなんだかつらい。

そして、帰り道、私に手を引かれて「夜霧よ今夜もありがとう」を歌っていた夫は、きれいな妙齢の女性に席を譲られた。

これはしかたないかな?
(^^)


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