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新たな局面?

2010/09/13 Mon 11:05

朝食後、すっくと立ち上がった夫が突然今まで座っていた椅子を持ち上げた。
体の前に椅子を持ち、歩き始める。

「パパ・・・。
 危ないから、椅子置こうか。」

「駄目。」

廊下に出た夫は息子と出会う。
息子を通さず、息子の部屋へ押し戻した。

もちろん、息子は力づくで通り抜けることも出来たけれど、認知症の父と付き合うこと6年。
こんな時は刺激せず、したいようにさせることが自分の平和と知っている。

息子が自分の部屋に戻りドアを閉めてしまったので、夫はすぐ左、娘の部屋へ入ろうとする。
娘の部屋には普段から夫が入らないようにダンボールや雑誌でバリケードがはられている。
案の定、椅子がつかえた。
ガンガンと椅子で邪魔なものを倒す。
益々前へ進めなくなってスタック。

私はその間、できるだけなんでもないように話かけて椅子を置くように言うけれど、返ってくる言葉は、
「いや。」「駄目。」「できない。」

こんな時、ほんとうは放っておいて、気が済むまで待つのが一番なんだけれど、椅子も娘の部屋も心配、何より息子が出かける時間。
息子が部屋を出られずドアの向こうで待っている。

足元に散らばったバリケードの残骸を娘の部屋へ押し込み出来たスペースに夫と椅子、自分も入る。

息子に

「今のうちに出て。」

息子は出かけて行った。

やれやれ、後は好きにしてもらうことにして、私もリビングに退散。
誰もかまってくれなくなって、夫もまもなく戻ってきた。娘の部屋でみつけたトートバッグを持って。

バッグの中身を点検、テーブルの上に並べていく・・・・。

DSC004611.jpg

こんな時のために買っておいたドーナツを台所の目につくところに置く。
ドーナツの袋を見つけて、夫は一休み。

幸い9時過ぎにデイサービスのお迎えがやって来た。
車に乗り込むまでもひと悶着あったけれど、とにかく送り出した。
職員さんには、今朝の様子をかいつまんで話して、後はプロに任せた。

今の気持ち。

「もう、帰ってくんなよぉ~!!!」

なんて訳には行かないんだけどね。


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